サツマイモ(シルクスイート)

 令和2年、初めてサツマイモ(シルクスイート)を栽培しました。今まで、紅アズマを栽培したことはありましたが、肥料のやり過ぎで芋が大きくなり芋の中が空洞になって上手に栽培できませんでした。

 令和3年、リンゴの里の職員から「シルクスイートは、美味しいサツマイモだよ。」と言われていたので、空いている畑に苗を植えました。肥料は、ボカシ肥料だけを撒きました。草を取るのは、手間がかかるので畑全面にマルチシートを敷きました。10月には、大きさもほどよく成長したシルクスイートを収穫することができました。食べてみると、上品な味で、とても好評でした。 

 令和4年、栽培面積を倍にしてシルクスイートを栽培しました。6月上旬にシルクスイートの苗を飯田の近藤種苗店から300本購入しました。昨年作った畑にボカシ肥料だけ入れ、マルチシートを敷き6列植えました。畝間には、トウモロコシ畑のようにマルチシート(95㎝)を敷きました。サツマイモの収穫は10月ですので、夏の間に雑草がものすごく伸びます。7,8月はトウモロコシの収穫、9月は稲刈りをするのでサツマイモ畑の草取りをしている時間がありません。

 マルチシートを敷くのに一手間かかりますが、畝間にマルチシートを引くことで、除草剤を一切使わず草取りを一度もしなくてサツマイモを栽培することができました。

 10月中旬、サツマイモの収穫をしました。サツマイモの収穫は、とても手間がかかります。始めに蔓を切りながら、畝間のビニールを剥がします。サツマイモの蔓は、とても長く丈夫です。初めは鎌で切りましたが、大変なので下草刈り機で蔓をきり、畝間の蔓をどかしてから畝間のビニールを剥がします。次は、サツマイモの畝の蔓を下草刈り機で切ってから、ビニールを剥がした畝間に起きます。これを繰り返して蔓を片付けます。この作業が、思ったより大変なのです。

 次にスコップでサツマイモを掘ります。手掘りなので速くはできません。一日2列掘るのがやっとです。トラクターにサツマイモ堀機を付けて掘っている人を見ると、うらやましくなります。掘った芋は、コンテナに入れて自宅のハウスに運びます。収穫は、3回に分けて行いました。二つのハウスにコンテナ36杯ほどのサツマイモを収穫しました。

 写真の加減で色が違いますが、堀りたてのサツマイモは下の写真の色です。

 堀たてのサツマイモは、食べても美味しくないそうです。サツマイモは、収穫してから3~4,5週間熟成させると糖分が形成され、美味しいサツマイモになります。

 サツマイモが厄介なのは、収穫したときにできる傷です。どうしても収穫時に傷ができてしまいます。この傷から細菌が入り、腐ってくるのです。収穫して1,2ヶ月以内に食べればいいのですが、12月下旬になると痛んできます。ですから、サツマイモは収穫してからケアリング(温度30~38度、湿度90%以上の部屋に3日間入れておく)をすると良いそうです。その後、13~15度の部屋に入れておくのが良いそうです。サツマイモは、寒さに弱いので、保管しておく部屋の温度にてもて気を使います。                 伊東農園のシルクスイートは、インターネットや飯田の道の駅などで販売しましたが、とても好評でした。飯田の焼き芋屋さんが、わざわざ買いに来てくれました。また、新野の知り合いにあげたら、とても美味しいといって一箱買ってくれました。私も毎日のように電子レンジでチンして食べました。

 令和5年、シルクスイートの栽培を2倍に増やし、7畝ほどの畑全面に600本の苗を植えました。サツマイモは、夏を越すので草取りをしなくてすむように今年も全面にマルチシートを敷きました。秋の収穫まで、周りの草を2回ほどスパイダーモアで刈っただけで育てることができました。少しボカシ肥料が多かったため、昨年よりたくさんのサツマイモを収穫することができました。傷を付けないようにすべて手掘り行い、切り離さないようにしてビニールで二株を玉ねぎを干すときのように繋ぎ、ハウスの中に作ったハザに掛けて乾燥しました。除草剤、農薬を一切使わずに育てる栽培方法は、トウモロコシ栽培と同じです。このような栽培には、手間がかかりますが、シルクスイート本来の味がします。商品は、道の駅、インターネット、直売所で販売し12月中旬には売り切れてしまいました。
 シルクスイートは、上品な甘さのサツマイモです。安納芋のように甘くなく、品のある甘さのサツマイモです。最近、スーパーなどで焼き芋によく使われています。新しい品種なので、苗の値段が高く、商品が少ない品種です。

 (スコップでサツマイモを手掘りで掘りました。延べ6日ほどかかりました。)

 (ハウスの中に三脚を立てハザ干しで熟成しました。風通しがよく、とてもよいサツマイモができました。)