新野の行事

1 新野の門松

 新野の門松は、年の暮れに山に行き松の枝・はん杭・若木を取ってきて作ります。新野では、ほとんどの家が自分の山林を持っています。40,50十年前まで、新野の農家は、冬になると山に行き炭を焼き出荷していました。炭を焼いて売ることで現金収入を得ていたのです。戦争中に大量の木材を必要としたため、多くの木が切られました。戦後の復興で、植林が呼びかけられ多くの木が植えられました。檜、杉、唐松などです。松は、自然に生えてきます。建築材料としては、油が多いため余り適していません。しかし、松の木は、常緑樹で葉がなくなることがないので縁起の良い木として、門松に使われてきました。

 はん杭とは、松を飾るための杭です。杭は、2㍍程の木の棒を2本、皮を剥いて立てたものです。その杭に松の枝をくくり付け、間にしめ縄を張ります。両側には、藁で作ったおやすを取り付け、しめ縄には神垂(しで)をたらします。2本のはん杭の間に木を渡し、木の皮をむいて作った俵を飾ります。

 1月5日には、門松を取り除き、しめ縄とおやすだけ残し、杭の周りには木を割って作った、若木を杭の周りに立てかけます。門松は、雪まつりの大松明や庭のたき火の為に集められます。この若木に1月14日の朝、十二月と墨で書きます。閏年は、十三月と書きます。小正月の飾りです。1月20日には、しめ縄と若木を取り外します。20日正月とも言います。新野の門松は、昔ながらの風習が残っているのです。